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ハウスクリーニング特約は払う必要がある?|退去費用の考え方と確認ポイント

/運営者:株式会社FACXIA

退去費用の請求書で、ほぼ必ず目にするのが「ハウスクリーニング費用」です。「普通に掃除して出たのに、なぜ請求されるのか」と感じた方も多いのではないでしょうか。

この記事では、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」の考え方と、実務で広く使われている「ハウスクリーニング特約」の関係を整理します。

原則:通常の清掃費用は貸主の負担

ガイドラインの考え方では、通常の清掃費用は賃料に含まれるものとされ、原則として貸主の負担とされています。賃借人が通常の清掃を行って退去した場合、クリーニング費用は原則として請求されないという整理です。

一方で、日常の清掃を著しく怠り、台所に油汚れが固着している、カビや水垢が著しく残っているといった場合は、通常の使用を超えるものとして賃借人の負担とされることがあります。

ただし「特約」があると結論が変わります

実務では、契約書に「退去時のハウスクリーニング費用は借主負担とする」といった特約が設けられていることが少なくありません。この特約がある場合、原則とは異なる取り扱いになる可能性があります。

通常損耗を賃借人の負担とする特約は、次の要件を満たす場合に有効と判断され得ると考えられています。

  1. 特約の必要性があり、暴利的でないなど合理的な理由があること
  2. 賃借人が、通常の原状回復義務を超えた義務を負うことを認識していること
  3. 賃借人が、その義務を負担する意思表示をしていること

ハウスクリーニング特約は実務上一般的なもので、金額が明示され、内容が合理的な範囲であれば有効とされることが多いとされています。

一方で、無効となる可能性もあります

特約があれば必ず有効というわけではありません。消費者契約法10条により、賃借人の利益を一方的に害する内容の特約は無効となる可能性があります。

たとえば、金額がまったく明示されていない、通常の清掃費用として著しく高額である、契約時に説明を受けた記録がない、といった事情がある場合は、有効性を確認する余地があります。

契約書で確認したい4つのポイント

  1. 特約の記載があるか — 契約書の「特約事項」や「原状回復に関する条項」を確認します
  2. 金額が明示されているか — 「〇〇円」と具体的に書かれているか、それとも「実費」等の曖昧な記載か
  3. 説明を受けた記録があるか — 重要事項説明書に記載があったか、説明を受けた覚えがあるか
  4. 金額が合理的な範囲か — 同程度の広さの一般的なクリーニング費用と比べて、著しく高額でないか

特約がない場合に確認したいこと

契約書に特約が見当たらない場合は、次の点を確認します。

  • 請求書に、通常の清掃を超える汚損(油汚れの固着、カビ等)の記載があるか
  • 退去立会いの記録に、具体的な汚損の指摘があるか

通常の使用の範囲であれば、原則として貸主の負担と整理される可能性があります。

まとめ

ハウスクリーニング費用は「原則は貸主負担、ただし特約があれば結論が変わる」という構造になっています。そのため、金額の高い・安いを考える前に、まず契約書に特約があるかどうかを確認することが出発点です。

特約があった場合も、金額の明示や説明の有無によって取り扱いが変わる可能性があります。契約書と請求書の両方を手元に置いて確認することをおすすめします。

よくある質問

Q. 契約書にハウスクリーニング特約があったら、必ず払わなければいけませんか?

A. 特約は一定の要件を満たす場合に有効と判断され得ますが、金額が明示されていない場合や、賃借人の利益を一方的に害する内容の場合は、消費者契約法10条により無効となる可能性もあります。

Q. 普通に掃除して出たのに請求されました。

A. 特約がない場合、通常の清掃費用は原則として貸主の負担と整理される可能性があります。まずは契約書に特約の記載があるかをご確認ください。

Q. 特約の金額が高すぎる気がします。

A. 通常の清掃費用として合理的な範囲かどうかが判断の分かれ目になります。同程度の広さの一般的なクリーニング費用と比較して、著しく高額でないかを確認する余地があります。

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本記事は国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」の考え方をもとにした一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。実際の負担額は、賃貸借契約の内容・現地の状況により異なります。個別の判断については専門家にご相談ください。